一湾を狭しと開く花火かな 紫峡 下町の窓を震はす大花火 ザザ虫 海鳴りのひびく奥津城盆用意 静子 生身魂今は昔のモガとモボ かもめ 現役の医師でありしよ生身魂 明美 聞く耳をもたぬ激論秋暑し 志峰 敗戦忌今も瞼に焼野原 嘉弘
子供らの駈けて踊のはじまらず 紫峡 大根蒔く女手に足る庭の畑 英子 牧場の白きテラスに秋の人 恵子 一瞬の脇見に星の流れけり 留美子 朝顔や手術の後の深呼吸 志峰 秋涼し町家の長き通り庭 一宏 ままごとの筵にこぼれ赤まんま つむぎ
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