綿虫の飛ぶ赤人の五輪塔 真千子 子の帰り待つ飴色に大根煮て 道子 帰り花白亜の像に開きけり 明美 宙吊りのごと大綿の二つ三つ 領一 猫車すぐ満杯や大根引く 多賀子 逃げる子に纏はる煙落葉焚 智 ご近所の落葉もろとも落葉焚 元二 綿虫の夕日に溶けてしまひけり 拓水 猫眠る日向の匂ひ返り花 一弘 雨上がり土黒々と冬耕す 厚子
悲しみの然らぬ顔して茎漬ける 修三 神おはす出羽三山に時雨かな ザザ虫 越の地の分厚き板の冬囲ひ とめ子 小春日に兄弟の靴干し並ぶ 継鳥 葉を落し街道の空晴れ渡り 柳影 高速路沿ひて大根掛け連ね 裕子 断崖に潮の響き神送り かもめ 兄嫁の仕種は母似大根干す 恵子 廻廊に子らの絵展示七五三 みどり アリゾナの小春空とぶ気球船 ロジー
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