玉ささげ鬼のひた泣く涅槃変 多賀子 紅梅の色濃き蕾まだ堅し なぎさ 冠水の痕跡残し下萌ゆる 柳影 雲覆ふ富士の裾野に雪残る 斉 幹に苔纏ひし梅の真白かな みどり 春待つや壁にリハビリ予定表 由紀子 赤鬼を打つ碧眼の年男 道子 鯨尺並ぶ露店や針供養 かもめ 大声の若き介護師豆を撒く 裕子 針供養わけても長き畳針 嘉弘
万葉の歌碑に影置くしだれ梅 千枝子 針もたぬ娘は着飾つて針供養 智 豆撒きに酒くみかはす鬼溜まり 春生 ミス奈良の撒く豆吾を避けるかに 尋嘉 「潮加減良し」と戻り来若布刈舟 あきひろ 自販機に買ふ点茶券梅寒し 操 似顔絵の眉も凛々しき茂吉の忌 直之 紅梅の一輪二輪と朝ごとに 厚子 らんまんの梅すずなりの雀かな 一照 ゴルファに踏まれながらも下萌えぬ 宣子
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