木漏れ日に紛れ出でたる地虫かな   静子
狩り場跡ならん阿騎野のすみれ濃し 真千子
御大師の杖が噴かせし井の温む 尋嘉
京の宿古き雛に迎へられ 道子
燕来る上七軒の深庇 ひいづ
啓蟄や貸農園の抽選日 斉
陽光を返す鉄傘鳥雲に 元二
土筆生ふ気ままに傾ぐ石仏 拓水
内裏雛飾る螺鈿の小箪笥に 由紀子
豪快な駒の尿や阿蘇の春 一弘

土筆野に同じ病の友と摘む      厚
小流れに点々と蜷生まれをり 周雄
黒染の衣まとひて卒業す 修三
木曽節に手拍子合はせ山笑ふ ザザ虫
享保雛襟元のぞく紅綸子 つむぎ
取り寄せし塩を自慢の菜飯かな 康邦
廃校は記念公園初つばめ 継鳥
揚雲雀付けつ放しのラジオ鳴る 直之
手間ひまをかけて楽しや雛御膳 裕子
おむすびの並ぶ形や山笑ふ 淑子


3月2007
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