園児らも黙して見遣る賀茂祭   一宏
街薄暑みやげもの屋の土間暗し 喜代子
緑さす伽藍に古き観世音 千枝子
京泊り朝掘り筍掘りたくて 志峰
葉桜や媼が語る城の秘話 康邦
更衣いつもながらの姿見に 静子
からまりて風に悲鳴の鯉幟 裕子
聖堂のオルガンが見え袋掛 恵子
靄がかる瀬に蠢くは山女釣 たけし
家並みな石州瓦柿若葉 宣子

葉桜に万華鏡めく洩れ日かな   広治
茶どころの訛言葉に新茶買ふ 元二
薔薇園のベンチ空くのを待つ間 智
朝日射す尾根の新緑金色に 日田路
更衣細くなりたる腕さすり マサエ
菖蒲風呂思はず庇ふ手術痕 豊治
居留地の名残の館バラ燃ゆる あきひろ
握り飯持参の袋掛となる 修三
子供より町役多き夏祭り つむぎ
草笛やみなとの見える丘に佇ち 操


5月2007
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