園児らも黙して見遣る賀茂祭 一宏 街薄暑みやげもの屋の土間暗し 喜代子 緑さす伽藍に古き観世音 千枝子 京泊り朝掘り筍掘りたくて 志峰 葉桜や媼が語る城の秘話 康邦 更衣いつもながらの姿見に 静子 からまりて風に悲鳴の鯉幟 裕子 聖堂のオルガンが見え袋掛 恵子 靄がかる瀬に蠢くは山女釣 たけし 家並みな石州瓦柿若葉 宣子
葉桜に万華鏡めく洩れ日かな 広治 茶どころの訛言葉に新茶買ふ 元二 薔薇園のベンチ空くのを待つ間 智 朝日射す尾根の新緑金色に 日田路 更衣細くなりたる腕さすり マサエ 菖蒲風呂思はず庇ふ手術痕 豊治 居留地の名残の館バラ燃ゆる あきひろ 握り飯持参の袋掛となる 修三 子供より町役多き夏祭り つむぎ 草笛やみなとの見える丘に佇ち 操
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/