漱石の足跡辿る木下闇 信正 薫風裡笑顔の集ふ旅となり 留美子 大漁の潮嗄れ声や南吹く あや子 猿の出て薫風の窓閉じにけり とめ子 めまとひに合掌の手を解かれけり道子 面伏せて密談めきし草取女 静子 雨上がり腰丈ほどの草を引く 厚子 梅雨の街くらげめきたる傘の群 倉太 青芒筑波嶺遠く晴るるかな 一弘 厨より弾むソプラノ立葵 志峰
船着場浜昼顔の咲くあたり 智 瞑想の暁天坐禅ほととぎす 斉 鉛筆の書き味悪し梅雨じめり 柳影 夏蝶や標高千の風に乗る 怜子 八橋を行くや目纏払いつつ 裕子 車窓なる美瑛の丘の夏の雲 三重子 藻の花や石橋多き宿場町 拓水 安曇野の雨にも飛ぶや恋蛍 あきひろ 手作りの小さき箱舟蓴採る 和子 古時計刻打つ庫裡や黴匂ふ たけし
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