夏柑の籠を積み込む島渡し かもめ 軽装のリュックでくぐる茅の輪かな 怜子 医者通ひするのみにこの日焼けかな マサエ 川風や大の字に寝て夏の月 道子 赤や黄のファッション浴衣罷り出づ 晴義 青田風うねりと成りて迫りくる 厚子 夕立の近づく気配下山道 智 かちやかちやと角突き合はす甲虫 拓水 夕焼けに続く函館夜景かな 三重子 箸刺され馬になりたるへぼ胡瓜 継鳥
長風呂の子より取り上ぐ浮人形 英子 夕立を待つてはをれず畑に水 幸子 海王丸甲板掃除日焼けの子 裕子 父の忌の窓辺の風の涼しかり 春生 水打ちしあと巡礼の鈴つづく 志峰 避暑にきて食欲不振嘘のごと 宣子 炎天を来て子規庵の青畳 康邦 湯ぼてりに凭るる手摺夜の秋 操 空蝉のとまる塔婆の薄れ墨 倉太 わたくしの初心の句帳曝しけり 明美
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