夏柑の籠を積み込む島渡し         かもめ
軽装のリュックでくぐる茅の輪かな 怜子
医者通ひするのみにこの日焼けかな マサエ
川風や大の字に寝て夏の月 道子
赤や黄のファッション浴衣罷り出づ 晴義
青田風うねりと成りて迫りくる 厚子
夕立の近づく気配下山道 智
かちやかちやと角突き合はす甲虫 拓水
夕焼けに続く函館夜景かな 三重子
箸刺され馬になりたるへぼ胡瓜 継鳥

長風呂の子より取り上ぐ浮人形  英子
夕立を待つてはをれず畑に水 幸子
海王丸甲板掃除日焼けの子 裕子
父の忌の窓辺の風の涼しかり 春生
水打ちしあと巡礼の鈴つづく 志峰
避暑にきて食欲不振嘘のごと 宣子
炎天を来て子規庵の青畳 康邦
湯ぼてりに凭るる手摺夜の秋 操
空蝉のとまる塔婆の薄れ墨 倉太
わたくしの初心の句帳曝しけり 明美


7月2007
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