海坂を流灯の灯ののぼりつめ 紫峡 花火果つ湖をふちどる街灯り 志峰 見回せば年寄ばかり盂蘭盆会 斉 来年の色を保証し朝顔売る 柳影 流灯にネオンの明り遠ざかる 瓔子 ぽつくりを願ふ七夕流しかな 直之 宝前に聞えて来る踊唄 辰也 盆踊りオフィスの彼女と思はれず 淑子
流灯の夕闇油くさきかな 紫峡 墓掃除となりは男やもめらし 一照 新涼や通勤の朝足軽く 広治 三井寺の撞かずの鐘や法師蝉 志峰 流灯の一つ浅瀬に引つ掛る 斉 けだるさや庭の朝顔しぼむ頃 倉太 湿原の風の育む松虫草 ザザ虫 霊棚に猫の位牌も供えけり 辰也
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