森閑の番外札所初しぐれ たけし 小春日の元町そぞろ歩きかな なぎさ 大根を引き抜く呼吸ありと言ふ マサエ 傾きて走る江ノ電海小春 ザザ虫 鋏もて絵馬外さるる神の留守 あきひろ 没の句を諾ひながら落葉踏む 静子 猫車大根の葉を引きずりぬ 恵子 木枯しに攫はるるごと日は西へ 瓔子 日向へ切り干しの笊移しけり 真千子
鏡井戸鏡をなさず散紅葉 宣子 雪虫や窯塞ぐ土捏ねをれば 由紀子 大胆にまた臆病に踏む落葉 修三 路地ひとつ曲れば闇や酉の市 隆雄 縁側に置く消火器や北塞ぐ 操 絵手紙の絵筆買ひ足す文化の日 ひいづ 返り花空に溶け入るごとく咲き 裕子 城址へといよいよ急の落葉径 喜代子 雪ぼたる下山のベルの鳴りにけり 志峰
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/