何時来ても水位変はらぬ鴨の池	静子
深庇幻住庵の暮早し       操
出航の汽笛に翔たず百合鴎 斉
欠礼の葉書またくる十二月 智
忘年会下戸の集まるひとところ 拓水
空耳や鬨の声聞く枯はちす 一弘
冬ざるる野に尾を垂れしはぐれ犬 一炉
年用意母の形見の割烹着 信行
年の瀬の朝刊なべて重くなる 日田路
逆光やただ黒点の鴨の群れ 辰也

獣めく流木のあり冬の月      志峰
雨しとど托鉢僧の白足袋に     とめ子
着膨れていよよ小さき顔となる 英子
浮き寝鳥とがりし波にさからはず 宣子
死にざまを見よと打ち伏す枯蓮田 柳影
堰の上に勢ぞろひして百合鴎 一宏
白菜を俵積みする直売所 幸子
歩の進むほどに霜解く田道かな 倉太
牡蠣小屋の並ぶ入り江やかもめ舞ふ みどり
鴨池に盗人鴎のひと屯       淑子


12月2007
   
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