巡礼を待つなる札所梅早し 多賀子 集めれば箱一杯や針供養 瓔子 日が照りて白梅黄色く見えにけり 留美子 廃校の花壇の跡に草青む 柳影 春寒やポケットにある頭痛薬 一弘 山門の仁王に梅の香りけり 順子 初午の祠に谷戸を一望す 斉 雪解風梢ゆらして渡りけり 春生
石段は急ぐべからず寺の春 一照 カルストの白をきわめて草青む 宣子 針納め千人針を語り種 由紀子 バス停の火の見櫓に海苔干され 忠利 検査値のすべてよろしと春立ちぬ 道子 老梅に縄囲ひして寄らしめず 静子 手弱女の振袖めきし枝垂れ梅 喜代子 鳥羽伏見戦の跡に梅まつり 一宏
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