あかしやの花散る路面電車かな 静子 純白の紙も混じりて袋掛 恵子 若楓写経疲れの目にやさし 隆雄 泥付きの筍積みし朝の市 一弘 土産屋のテントひしめく島の夏 宣子 侍の父に抱かれし祭り稚児 裕子 節くれの指に挟みて草の笛 恵子 土塀越し見上ぐ大山蓮華かな たけし この旅をきつかけとして衣替へ 明美 図書館の窓全面に新樹光 元二
一年はあつといふ間や花は葉に 広治 信号の隠れて見えて神輿揉む 操 武者人形ずらり並べて座敷蔵 道子 店の中通り抜けゆく若葉風 厚子 通院日すこし早目の更衣 豊治 若葉風ひとり湖畔の句碑巡り 信正 開演を待つ縦列や若葉風 幸子 機械とはいへど手押しや麦を刈る とめ子 買物に男が走る夏祭 智 佐久に道迷ひ草笛吹きにけり 多賀子
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