松涼し迎賓館の出入口 ひいづ 捕虫網旗指物のごと掲げ 明美 モンゴルの涼し涼しと旅日記 順子 油照る一揆の村を通りけり 倉太 茄子胡瓜植ゑて添木の林立す 領一 老いらくの時を惜しまず昼寝せる 静子 噴水の折れしは挫折にはあらず 柳影 吊橋へ子等を先導道をしへ 忠利 注連を張る崖の洞より滴れり 英子 あるかなき風に弁解く古代蓮 修三
豪快な浜焼きもまた夏料理 晴義 風の向き西に変はりし夕納涼 操 寝袋に天候願ふ登山かな 三重子 アルプスはこの雲海の下ならむ 隆雄 客設け重ね置きたる奈良団扇 真千子 夏痩の指輪するりと落ちるとは 幸子 滝しぶき盛塩の山崩しけり たけし 香りよき流し扇を家苞に 裕子 噴煙に閉鎖されたる登山口 和子 宮島の辻辻にある噴井かな みどり
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/