秋耕の俄百姓鍬重し             とめ子
分校も臨時休校豊の秋 一弘
肩を打つ祈りの丘の木の実かな 恵子
高層を仰ぐ御苑の菊日和 斉
ベランダの小さき日向や色鳥来 明美
髭長き水戸黄門の案山子かな 周雄
身に入むや水子地蔵の手に念珠 かもめ
幔幕を風の吹き上ぐ村芝居 順子
吟行のおしやべり止めよ鵙鋭声 静子
丹の門は額縁をなす紅葉寺 道子

残りたる白菊に紅さしにけり     マサエ
薄紅葉なれど清水寺人出 淑子
山また山紅葉の錦織りなせる 春生
ゴンドラの点となりゆく谷紅葉 智
うそ寒や叔父が形見の日本刀 志峰
大盛の綿菓子うれし村祭 一照
さしあたり破れし箇所の障子貼る ひいづ
高層の屋上稲荷小鳥くる 裕子
鈴生りの柿のひと口サイズかな みどり
楷の木の低きに残す紅葉かな 日田路


10月2008
   
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