文化の日何度も着替え出番待つ  厚子
盛り土のごとく平らや落葉山 操
けもの道奥へ奥へと落葉踏む 恵子
時雨虹遠流の島を抱きけり 裕子
昼暗き胸突坂や木の葉舞ふ 隆雄
振り袖に長靴の児や七五三 とめ子
鞍馬より貴船へ来れば片時雨 幸子
悩みごと腹に膨るる神の留守 広治
しぐるるや松の根方に雨宿り 英子
狛犬の背に野良猫や神の留守 かもめ

味噌汁の熱きがうれし今朝の冬  嘉宏
黄落や本陣宿の黒き門 一照
炉開に母の残せし香をたて 智
腐葉土に戻すつもりの落葉掃く 淑子
画伯恋ふ紅葉且つ散るアトリエに 静子
沈む日と共に帰宅や冬夕焼 三重子
菊坂は露地多き街一葉忌 晴義
馬術部の馬具干す小春日和かな 領一
妻の手に負へぬ大根引きにけり 修三
伸び過ぎて倒れさうなる畑大根 柳影


11月2008
   
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