遠目には茶色の世界冬ざるる    領一
聖堂の椅子冷やかに並びけり 多賀子
写生子の隣に座り日向ぼこ   隆雄
空つ風雷門を見上ぐれば    英子
買ひ来たる日記聖書と並べられ 柳影
風邪の身を取り繕ひて町医者へ 元二
クリスマス銀の折紙星となる  恵子
箒目の上に重ねて菊を焚く   静子
さりげなく懐手して地獄耳 一子
毛糸編み予定通りに捗らず   宣子

枯山のてつぺん城のよく見ゆる 日田路
着膨れて頬杖つくを厭はるる  春生
焚きませと丈の揃ひし牡丹榾  たけし
松籟や水鳥波に逆らはず    志峰
天井に届く聖樹にぬひぐるみ  和子
落日や版画のごとき枯木立   雅紀
寝支度を整へて干す玉子酒   瓔子
大切に着る古コート重きかな  淑子
とりあへず客間に拡ぐ餅筵   みどり
手作りの年越し蕎麦をお隣りへ 三重子


12月2008
   
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