雨戸繰る音に動ぜず囀れる    豊治
啄める鳥に踏まれて麦青む    操
ヘッドフォンより音漏らし春眠す 淑子
花吹雪馬上に騎手の立ち上がる  元二
花御堂囲み混声合唱団      周雄
馬場うらら厩舎に鳩の出入りす  順子
うららかや波音ばかり浮見堂   喜代子
尾根道に吹き上がりくる飛花落花 智
遮断機の下りし踏切蝶渡る    幸子
花に酔ひ晋山式の高野辞す    由紀子

水草を取り囲みたる蝌蚪の紐   正勝
長持ちす花に西行しのびけり   和子
故あらむ残りし鴨の寄り添ふは  晴義
酔ふほどに句談義はずむ花筵   尋嘉
心経のどよもす花の蔵王堂    一宏
贅尽くす弁当銘酒花見舟     かもめ
菜の花やペダル軽々土手の道   倉太
雑草に埋もれて都忘れかな    隆雄
あけぼのの庭に散らばる雀の子  春生
揺れ動く香りほのかな藤の花   三重子


4月2009
   
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