春蝉の羽根金色に輝けり 隆雄 体験の短期入寮花は葉に 静子 花は葉に身体も序序に回復す 留美子 何処までも続く葉桜遊歩道 なぎさ 日本海海戦の日よ卯波立つ 明美 形見なる筆硯をもて夏書かな 多賀子 うす暗き十間廊下武具飾る たけし 体重の減りしはいかに更衣 マサエ 矍鑠と白寿の母の更衣 一子 母の日の誇大包装良しとしぬ 淑子
金色の壺より新茶のひとつまみ 静子 水軍の要塞あとや卯波立つ 恵子 雨の日の退屈凌ぎ豌豆剥く 修三 新樹光坂なだらかな須磨離宮 日田路 薔薇園の白亜の城はレストラン 宣子 夏落葉日の斑と共に掃きにけり 豊治 宮入の神輿一気に磴登る 周雄 見せ所なる参磴の荒神輿 操 盥舟ゆらぎ漕ぎ出す佐渡は夏 真千子
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