親株は御苑育ちの花菖蒲     辰也
千年家裏木戸隠す茂りかな    多賀子
増水と聞けど透明河鹿鳴く    あきひろ
狼藉のごとき足跡田植終ふ    領一
梅雨深き路地に自適の暮らしかな 忠利
下闇や髭題目の碑には苔     広治
駅毎に子育て燕山手線      一弘
苔の花終の住み処と覚へけり   日田路
梅雨は憂し脳トレーニング怠らず 幸子
鶯や千年杉に老いを鳴く     ひいづ

梅雨寒や帰り待ちつつ茶碗酒   直之
濫造にあらず粗製や鳰浮巣    柳影
梅雨闇に仏師の部屋は昼灯す   和子
この橋を渡れば信濃植田風    智
冠水の植田に投網打つ輩     志峰
紫陽花や格子の中の仁王尊    正勝
時鳥野仏多き行者道       嘉宏
合掌を解きたるときにほととぎす とめ子
蛍見に東京弁の夫婦かな     倉太
老鶯や展望台は視界ゼロ     宣子


6月2009
   
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