親株は御苑育ちの花菖蒲 辰也 千年家裏木戸隠す茂りかな 多賀子 増水と聞けど透明河鹿鳴く あきひろ 狼藉のごとき足跡田植終ふ 領一 梅雨深き路地に自適の暮らしかな 忠利 下闇や髭題目の碑には苔 広治 駅毎に子育て燕山手線 一弘 苔の花終の住み処と覚へけり 日田路 梅雨は憂し脳トレーニング怠らず 幸子 鶯や千年杉に老いを鳴く ひいづ
梅雨寒や帰り待ちつつ茶碗酒 直之 濫造にあらず粗製や鳰浮巣 柳影 梅雨闇に仏師の部屋は昼灯す 和子 この橋を渡れば信濃植田風 智 冠水の植田に投網打つ輩 志峰 紫陽花や格子の中の仁王尊 正勝 時鳥野仏多き行者道 嘉宏 合掌を解きたるときにほととぎす とめ子 蛍見に東京弁の夫婦かな 倉太 老鶯や展望台は視界ゼロ 宣子
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