夕富士を望む峠や月見草 かもめ 竹生島へと虹の橋のびにけり 明美 時化気味の海へ繰り出すヨットかな忠利 草いきれ薙ぎ倒されてゐる草も なぎさ 群れなせる馬いななくや夕立中 晴義 礼を言ふ所作の涼しや老婦人 とめ子 遠きより耳鳴りの如蝉時雨 みどり 帰省子の楽の洩れゐる部屋明かり 静子 船長は若き娘や船遊び 宣子 カーテンに江戸風鈴のあふらるる 元二
雲の峰落日に列正しけり 雅紀 建て直し決まりし家に帰省かな 恵子 青田風初めて訪ひし道遠く 智 細き葉の垂れて空蝉すがりをり 領一 へとへととなりて戻りし日焼けの子多美子 滝の音聞こえて険し行者径 千枝子 正座の子居並ぶ広間夏期講座 喜代子 憚からぬ鼾放ちて昼寝かな 春生 滴りに道のぬかめる切通し 隆雄 手さぐりに肌掛けさがす朝涼し 三重子
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/