傘を手に駅に妻待つ十三夜 嘉弘 源平の遺跡巡りや須磨の秋 順子 照り翳りして日の暮るる秋の海 たけし 祖父の世の芋水車とて廻しくれ 多賀子 一芸の追善供養秋袷 静子 里山の裾まで伸びる曼珠沙華 忠利 月天心忍び返しの塀長し かもめ 風の盆弓張月に雲迅し あきひろ ラジオ聴きくすりと笑ふ夜長かな 広治 穂芒の靡く峠は王子跡 由紀子
平明を旨とす句集爽やかに 柳影 難渋の足場ものかは根釣人 領一 敬老日かかわりもなく蕎麦を打つ 宣子 歌垣の山の麓に初紅葉 倉太 休耕の田圃いつしか芒原 春生 招待状早々にくる敬老日 一子 昼灯す旧家の土間や虫を聴く 幸子 電線を垂れて房なす葛の花 尋嘉 水棹さす漁師に釣瓶落しかな 晴義 諍いののちの沈黙夜長し 智
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/