大陸の鉄路に沿ひて鷹渡る あきひろ 山門の小さき屋根借る時雨かな 喜代子 拝殿の奥は洞窟神の留守 幸子 小走りの母の足音今朝の冬 とめ子 時雨傘毘沙門堂に畳みけり 多賀子 落日へ一直線の冬田道 辰也 歳時記をまたも買ひたり翁の忌 瓔子 柊の花のこぼるる裏鬼門 千枝子 冬めくや巫女は掃除に手抜きなし 直之 顔ほどの大きな落葉踏んでゆく 隆雄
絵馬堂を覗いて帰る神の留守 晴義 筆塚や落葉に埋まる筆二本 智 百選の棚田を見むと落葉踏む 明美 倒木の仮橋渡り冬山家 忠利 大根を懸け終へて日を仰ぎ見る 春生 よく見れば五彩の落葉沈みゐし 節江 箱ぬらしピザの出前や初しぐれ ロジー 鳶の笛止むやいなやに鷹来る 斉 曲がり屋の土間の入り口大根干す正勝 境内に千の提灯酉の市 章子
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