大陸の鉄路に沿ひて鷹渡る      あきひろ
山門の小さき屋根借る時雨かな 喜代子
拝殿の奥は洞窟神の留守 幸子
小走りの母の足音今朝の冬 とめ子
時雨傘毘沙門堂に畳みけり 多賀子
落日へ一直線の冬田道 辰也
歳時記をまたも買ひたり翁の忌 瓔子
柊の花のこぼるる裏鬼門 千枝子
冬めくや巫女は掃除に手抜きなし 直之
顔ほどの大きな落葉踏んでゆく 隆雄

絵馬堂を覗いて帰る神の留守    晴義
筆塚や落葉に埋まる筆二本 智
百選の棚田を見むと落葉踏む 明美
倒木の仮橋渡り冬山家 忠利
大根を懸け終へて日を仰ぎ見る 春生
よく見れば五彩の落葉沈みゐし 節江
箱ぬらしピザの出前や初しぐれ ロジー
鳶の笛止むやいなやに鷹来る 斉
曲がり屋の土間の入り口大根干す正勝
境内に千の提灯酉の市 章子


11月2009
   
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