用事あるらしき早足白き息 柳影 休診の予定張り出す年用意 道子 手始めに下駄箱整理年用意 和子 底冷えの座禅の会の末席に 厚子 日向ぼこ小さき地震に面あげぬ サダ子 下戸なれど鰭酒なれば相伴す 宣子 餅切つて赤くなりたる掌 三重子 勤行は高野泊まりの冷え厳し 真千子 民宿の雑魚寝楽しき掘り炬燵 忠利 花時計ランチタイムの日向ぼこ 順子
点滴の管にリボンやクリスマス 恵子 近江なれ湖畔の松に蕪干す 喜代子 足踏みのミシン一台冬座敷 隆雄 朝寒し図書館開くを待ちをれば なぎさ 冷たさに夫の手をとる散歩かな 留美子 喫煙を我慢してをる懐手 操 顔ぶれのいつも変はらず日向ぼこ 一宏 合図らし短く鴨の鳴き交はす みどり 聞き役になりて捗る毛糸編む 修三 あらためて決意もなしや賀状書く 直之
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/