賀茂川の飛び石渡る烏の子 一宏 案内請ふ背戸にこぼるる柿の花 喜代子 定かには詠めざる句碑や木下闇 忠利 代田掻く老いや挨拶応へなし 尋嘉 終はりには上手になりて蟹を食ぶ 三重子 園古りて名札も立てず花菖蒲 淑子 梅雨晴間病の床に身を起こす 日田路 呑めどなほ膝の痛みや梅雨と知る 直之 雑草と侮る勿れ草茂る 広治 走り根の股に生えたる梅雨茸 辰也
釣鐘の真下に並ぶ蟻地獄 隆雄 梅雨茸植物園に彩競ふ 順子 水門を抜けて反転夏燕 桂伸 山道の果てたるところ青山河 正勝 プランター所狭しと夏野菜 厚子 飽きもせず推理小説明け易し 晴義 梅雨の我読書三昧はばからず 静子 夏川の合流点や竿光る 元二 観音像青葉雫にそば濡るる 節江 梅雨晴間鳶と鴉の喧嘩らし 倉太
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