長命の水の雫や新豆腐 志峰 新涼や糊の利きたるシ-ツ敷く 真千子 筆とりて一句寄進や盆灯籠 操 満州は母の口癖終戦忌 静子 時差呆けの身をもてあます残暑かな 宣子 一服とベンチに座せば風は秋 とめ子 照り返す御所の砂利道秋暑し 一宏 古筵足投げ出して小豆打つ 多美子 音立てて五人家族の西瓜食ぶ 雅紀 ひぐらしの坩堝と言はん露天の湯 多賀子
新涼の路地に研師の店開き 忠利 カトリック墓地も賑はふお盆かな みどり 孫帰り仏も帰る送り盆 倉太 真向に刃筋を通す大西瓜 日田路 流燈の消え果てるまで佇みぬ 智 桟橋に魚臭匂ひて秋暑し 元二 秋暑し油浮きたる船溜り 嘉宏 日陰出て一歩ためらふ残暑かな 尋嘉 行者宿霊水に浮く新豆腐 たけし 古戦場踊太鼓のひびきけり 辰也
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