噴煙の雲と見紛ひ山眠る     元二
立ち喰ひに女もはいる師走かな  広治
着ぶくれて早朝ゴルフ儘ならず  章子
着ぶくれや三日坊主のストレッチ 日田路
湖畔沿ひ衛兵めきし鴨並ぶ    節江
クリスマスツリー置かれし無人駅 つむぎ
白壁へ墨絵を描く枯木影     道子
診察を待つ間のマスク息苦し   倉太
賀状書く万葉がなのうるはしく  幸子
あちこちに歳暮の礼の長電話   厚子



銀ぶらの楽しさに買ふ日記かな 瓔子
一盞に話題尽きざる囲炉裏かな 忠利
年の瀬や宝くじ買ふ人の列 ザザ虫
風邪癒えて妻の長風呂戻りけり 隆雄
父母を思ひ浮かべて根深汁    春生
和菓子屋に灯る小さき聖樹かな  宣子
三輪山の裾ひろがりや冬菜畑   真千子
み仏に近々と座し年惜しむ    千枝子
土産手にすれば荷物となるコート 三重子
南縁の日差しのひと間冬籠    桂伸


12月2010
   
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