家族みな一路順風去年今年       静子

リハビリの成果期待の初日記     修三

おもむろに眼鏡拭ふや読始       操

立砂に淑気満ちたり一の宮       瓔子

的裏に鬼と一字や弓始           あきひろ

初詣御籤一枚大切に             サダ子

日の射すを待ちて撮りたる冬牡丹 和子

雪卸す声が天から降るごとし     忠利

悴みて牛乳壜を取り落し         みどり

風花や清水舞台ふり仰ぐ         ひいづ

寒施行マリア灯篭まうしろに     明美

ロケありし牧場隈なく雪積る     多賀子

雪晴れて煙突からの白煙         厚子

柔道着畳む幼の寒稽古           豊治

本殿へ先づは放水どんど焚く     斉

箸墓の影よりたちし寒烏         真千子

弁当の箸止めて見る雪の富士     なぎさ

学問の宮の人出に梅固し         宣子

七つ星寒夜の空に煌けり         春生

海に向く遊女の墓や水仙花       かもめ