試歩始む春立つ日とぞ思ひたち 尋嘉 紀州路や軒端軒端の梅白し 宣子 幕末の砲台訪ひし建国日 領一 武家屋敷拝見しつつ梅を愛で 一照 紅梅や野崎に比翼塚訪へば 由紀子 梅ふふむ城址に人の影のなく 一宏 肉じやがのほつこりバレンタインの日 つむぎ 八十の采配達者剪定す とめ子
恋の猫飼育禁止の団地にも 柳影 髪切るを一日延ばしの余寒かな 淑子 春近し動物園のこの人出 宏治 港見ゆ丘の起伏に梅匂ふ かもめ 十を越す支柱の支へ梅ひらく 周雄 春浅し漁網繕ふ太き指 節江 初音きくここに住ひて四十年 直之 鶯の谷渡り聞く御師の宿 多賀子
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