貧農を継がせし悔いや夏蓬        春生
ロープ張り芝生養生青嵐 幸子
牛蛙何の合図ぞ鳴き交はす とめ子
緑陰に屋敷神在す旧庄屋 かもめ
山の辺の道に目立ちし銀竜草 真千子
夏帽子飛ばされまじな浮御堂 あきひろ
髭面の目深に被るパナマ帽 日田路
ペンキ塗り終へ一服や梅雨晴れ間 広治
夏草や有刺鉄線まで届く なぎさ
蛍火や闇の底より水の音 隆雄

帰るさの星の明りや螢狩          操
尼寺の跡と碑があり花菖蒲 直之
ハーブ園後ろの山のほととぎす 嘉宏
参道を汚す楊梅樹齢百 千枝子
開山忌近き寺町溝浚 由紀子
通し鴨濠を巡りてかくれんぼ 宣子
糶声の向ふ鉢巻初鰹 桂伸
快方に向かふと電話五月晴 厚子
カ―ネ―ション感謝の数の蕾かな 豊治
行者道足もとよぎる瑠璃とかげ 喜代子


6月 2011
   
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