手すさびの遺品といはれ走馬灯 紫峽 打ち止めの花火大きな輪を描く 一宏 埠頭行く初秋風に目を細め 操 病抜け体調よろし食の秋 和子 ケーブルを降りて辿りし展墓かな 静子 回廊に新涼の風吹き渡る 恵子 屋上は手さぐり歩き花火待つ 多賀子 山影のうち重なりて銀河濃し 忠利
横ゆれの風をいなせる芭蕉かな 紫峽 お決まりの線香花火で仕舞とす 直之 掃苔や読めぬ墓石もねんごろに 節江 秋暑し老眼鏡の度が進み 智 浅草にサンバのリズム秋暑し 倉太 遊ぶ子の茣蓙にこぼれて赤まんま 泰子 旅人を加へ広がる踊りの輪 宣子
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/