筆始背筋伸ばして墨を磨る 辰也 初鶏とぼんぼん時計刻競ふ かもめ 人波の駅までつづく初詣 裕子 末吉も旅は吉なり初みくじ 幸子 恙なく金婚となり年酒汲む 明美 幼等は身を投げ出してカルタ取り 泰子 追羽根や夕日にかざす小さな手 晴義 またとなき富士見日和の初ゴルフ 周雄 遅れ来し賀状達筆なりしかな 順子 明日よりの仕事を思ふ三日かな 嘉宏
雪しんしん赤き尾灯の遠ざかる 春生 雪しづる音の響きて安居寺 由紀子 石人の頭足蹴に寒鴉 ひいづ 母に似る皸の指ペン握る 信行 献血をまづ一番に成人日 静子 寒紅や披講の声のよく徹り 尋嘉 水仙の匂ふ急坂海展く ザザ虫 寒の鯉紅一点の心字池 瓔子 氷柱伸び縮み秘湯の長湯治 あきひろ 風花や湯げむり消えしところより柳影
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