エプロンの主婦等営む梅見茶屋 宣子
湖畔茶屋紅梅見ゆる席選ぶ 節江
古井戸の不気味な暗さ凍返る 忠利
逡巡は一瞬のこと剪定す 瓔子
伯仲の紅白梅や二人展 幸子
立春大吉帳場に座せる招き猫 桂伸
これはまた大蒟蒻や針供養 あきひろ
戦禍経し母の縫い針祭りけり 裕子



立錐の余地なき春節中華街 周雄
持ち帰へる赤福餅や伊勢の春 眞千子
余寒なほ面接終へし黒スーツ ザザ虫
鎌倉の鳶舞ふ浦や若布干す 多賀子
嬰抱いて公園に聞く初音かな 宏治
北の地へ転勤と聞く余寒かな 淑子
まだまだと寒の戻りを疑はず 英二
冨士見ゆる土手のなぞえに蕗の薹 泰子
踏絵見しあとの沈黙長きかな 由紀子


2月2012
   
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