若鮎は口青くして焼かれをり 和子
空に鳶舞ひ春の野に人溢れ 道子
手作りの苦労話や雛の前 柳影
啓蟄やエスカレーター点検中 豊治
唐門に添ひて五色の八重椿 一宏
念願の離宮拝観青き踏む ひいづ
ペン措かず左手につまむ雛あられ 操
春の雨いつしか止みて鹿島立 倉太
電柱のなき街道や燕飛ぶ 順子
暖かな日を賜りて野辺送り 多美子



裏木戸に一輪咲いて藪椿 厚子
蜷の画く迷路は出口なかりけり 尋嘉
吊し雛揺らして稚児をあやしけり 修三
振り下ろす鍬に匂へる春の土 とめ子
揚雲雀まつすぐ歩く廃線路 日田路
春耕の畝黒々と雨上がる 智
湯治客驚かせたる春の雪 裕子
健脚を褒められもして山笑ふ 隆雄
尼寺の書院に飾る古雛 ひかり
啓蟄の貸農園にはしやぐ声 元二


3月2012
   
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