今日だけといふ五月晴富士仰ぐ 明美 襟足の白きを誇り更衣 静子 刈り揃ふ芝につんつん捻り花 多賀子 海に向く蜑の寄せ墓青葉潮 節江 実演の手揉みに見惚れ新茶買ふ 斉 ひなげしや遺跡の大理石白し 淑子 花は葉に地震に戦く日々続く 柳影 修復の目処たたぬ間に花は葉に 智 小康をえたる夫に窓若葉 多美子
水郷のけぶる卯の花腐しかな 宏治 あれこれと出して思案や更衣 嘉宏 リハビリの杖の一歩や夕薄暑 泰子 若葉雨傘をささずに鎌倉へ ザザ虫 掘りたての筍茹でる鉄の釜 厚子 ネクタイを外せば気楽街薄暑 広治 夏祭り大漁旗の法被かな 裕子 新茶飲む産地別々味比べ 留美子
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/