ボランテイアガイド乗り込む鵜飼船 順子 干し傘の大中小や梅雨 豊治 みちのくの白き遠嶺や代を掻く 辰也 古墳へと誘ふ道や夏の蝶 真千子 黄ばみても虚子の一書に黴を見ず 忠利 鑿あとの深き石仏蜥蜴出づ 静子 護摩堂の庇を越えし今年竹 領一 緑陰の卓にハーブの匂ひけり 明美 溝さらへ馴染みし顔の老けにけり 元二 ジャスミンの香る骨董市通り 瓔子
絹糸のやうな細根や草を引く 幸子 草刈りし休耕田の広きこと 和子 子つばめの生きんがための口を開く とめ子 当分は自給自足や夏野菜 修三 上流は田植時らし川濁る 倉太 手の届かざる木苺のよく熟れて 章子 街暑し鳩の汚せし石畳 宣子 仏前の早苗饗の苗干からびし 多美子 隠れ耶蘇住みし山峡蛍狩 好博 指先に絡む抜け毛や梅雨寒し みどり
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/