湖も北観音みちの落葉踏む       明美

茶柱をそのまますすり日向ぼこ   千枝子

師の句碑の積る落葉を掃きにけり 喜代子

浦里の賑はふ御講日和かな       由紀子

時雨来て仲見世急に賑やかに     節江

丹誠の大根太し不揃ひに         直之

落ち葉踏む音も軽やか朝散歩     ひかり

勲章のごとし躑躅の返り花       操

致仕の夫講義に参づ文化の日     ひいづ

枯葉舞ふ小野小町の化粧井戸     倉太

石蕗咲くや西行坐像堂暗し       ザザ虫

夕時雨根岸の里を足早に         泰子

花八つ手今は使はぬ釣瓶井戸     隆雄

初霜や自律神経まだ確か         智

木枯や他に術なし背を丸め       広治

ネクタイの男逍遥浜小春         好博

風除けの中を覗けばポンプ井戸   あきひろ