十五夜を眺める子らの影法師   厚子
をちこちに人屈みゐる花野道   一宏
猫じゃらし揺るる社宅の撤去跡  嘉宏
歌垣の里に今宵の月を待つ    真千子
山霧の突如襲ひし九十九折    領一
萩の露作者不詳の歌碑濡らす   千枝子
露けしや墓石めきたる句碑百基  節江
大壺に秋草さはに陶芸展     喜代子
蘭の花蜜の涙をこぼしけり    淑子
美術館長蛇の列へ秋の蝶     道子

難聴の耳欹てて虫を聞く     由紀子
秋刀魚焼く大根おろしの白きかな 信行
秋気澄む湖畔のサイクリングかな 広治
虫を聞く宗祇休みしてふ石に   尋嘉
風羅堂跡の秋蚊に刺されけり   裕子
閉園の木立につるべ落しの日   操
星空の闇に虫の音鳴き止まず   春生
荒れ庭にたつた二本の曼珠沙華  サダ子
月天心スカイツリーの低く見え  周雄
葛の花播磨灘へとなだれけり   好博


9月2013
   
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