鴟尾襲ふ夕日の落葉煙かな	 紫峽
文化の日金物市に鍬を買ふ	 嘉宏
致仕の夫講義に参づ文化の日	 ひいづ
三千本切りも切つたり大根焚	 由紀子
屋根に積む欅落葉や長屋門	 隆雄
外つ国の領事館にも熊手かな	 泰子
ネクタイの男逍遥浜小春  	 好博
落ち葉踏む音も軽やか朝散歩	 ひかり
勲章のごとし躑躅の返り花	 操
枯葉舞ふ小野小町の化粧井戸	 倉太

郷関を出づる子となれ七五三   紫峽
石蕗咲くや西行坐像堂暗し    ザザ虫
初霜や自律神経まだ確か     智
木枯や他に術なし背を丸め    広治
風除けの中を覗けばポンプ井戸  あきひろ
幾年をこの黄楊櫛で木の葉髪   桂伸
つきることなく流れくる落葉かな 領一
翳りてもすぐにまた照る冬日和  豊治
七五三茶髪の父に背負はれて   多美子
老いてなほ読書三昧冬灯     修三


11月2013
   
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