鴟尾襲ふ夕日の落葉煙かな 紫峽 文化の日金物市に鍬を買ふ 嘉宏 致仕の夫講義に参づ文化の日 ひいづ 三千本切りも切つたり大根焚 由紀子 屋根に積む欅落葉や長屋門 隆雄 外つ国の領事館にも熊手かな 泰子 ネクタイの男逍遥浜小春 好博 落ち葉踏む音も軽やか朝散歩 ひかり 勲章のごとし躑躅の返り花 操 枯葉舞ふ小野小町の化粧井戸 倉太
郷関を出づる子となれ七五三 紫峽 石蕗咲くや西行坐像堂暗し ザザ虫 初霜や自律神経まだ確か 智 木枯や他に術なし背を丸め 広治 風除けの中を覗けばポンプ井戸 あきひろ 幾年をこの黄楊櫛で木の葉髪 桂伸 つきることなく流れくる落葉かな 領一 翳りてもすぐにまた照る冬日和 豊治 七五三茶髪の父に背負はれて 多美子 老いてなほ読書三昧冬灯 修三
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