生国の同じ輩や炉を囲む     静子
方丈の池に開かれ白障子     とめ子
生きてゐる実感ひしと日向ぼこ  忠利
沼涸れて杭の多きに驚きぬ    元二
懐手売り子は手持ち無沙汰なる  道子
神木の幣を替へるも年用意    和子
懐手解きて吟味す萩茶碗     喜代子
通園のバス待つ母子息白し    領一
年の瀬に忙中間の有馬かな    順子
風神の吐息凄まじ虎落笛     春生

沼涸るるこの四つ足の跡は何   節江
手際よき嫁の奉行や鮟鱇鍋    裕子
鴨の群発ちて夕日を遮れり    真千子
先づ無沙汰詫びて始まる年忘れ  みどり
着ぶくれの背筋を正す茶の師匠  一宏
湘南の寒さ知らずのサーファーら 三重子
たち込める墨の匂ひや冬座敷   柳影
枯れてなほ花材となりし芙蓉かな 嘉宏
この冬も捨てずに着込む古セーター直之
海のぞむマンションの窓布団干す 領一


12月2013
   
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