石あれば石に座しけり花疲れ 千枝子 放たれし赤い風船風光る 智 遊歩道誘ふように花明り ひかり 句を案じながら長湯や春の宵 瓔子 花吹雪とつさに画架をかばひけり 多賀子 落人の里は杏の花盛り 倉太 お不動の筧の水に蝌蚪生るる 操 おとがひに髭白々と徒遍路 静子 朝礼に一陣の風花吹雪 広治 猫に芸教へ春愁晴らしけり 修三
畠に積む棄て大根も花盛り みどり おてんばの着物うれしや知恵詣 和子 家苞をこたびは買はず花の旅 忠利 花の宴吾関せずと画布ひろぐ 領一 はからずも甘茶いただく礼参り 順子 初蝶の喜々とし遊ぶ雨後の庭 喜代子 石楠花を愛でつの登坂苦とならず尋嘉 引き出しの奥にまだあり桜貝 直之 砂を盛るただそれだけの磯遊び 一宏 春光を跳ねて細波さかのぼる とめ子
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/