母の日や厨の母のわらべ歌    泰子
薔薇の香やしばし睡魔に逆らはず 隆雄
名にし負ふ浜に人見ず卯波立つ  とめ子
新緑や熊に注意の通学路     ザザ虫
三日留守愛づる間もなく花は葉に 和子
間髪を入れずおひねり飛ぶ神輿  多賀子
ステップを踏み御機嫌や祭馬   由紀子
コンビニに祭衣のまま憩ふ       章子
結ひ上げて濡羽色なる祭髪       瓔子
初節句家族の声を録音す     厚子

筍を貰ふついでに糠無心    元二
歳時記に花の名多き五月かな  淑子
年甲斐もなくはなやかに更衣  幸子
本坊の式台飾る白牡丹     英二
麦秋や住宅街のど真ん中    広治
吟行や雨は降らねど卯月寒   静子
果てしなくひろごる近江麦の秋 裕子
谷若葉とみかうみして舟下る  一宏
房多し今年こそはと袋掛け   サダ子
小半時行儀正しき夏書きかな  好博


5月2014
   
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