住職はプール開きの見張役 忠利 玄関に誰の声なる昼寝覚め サダ子 時の鐘鳴るやに噴水踊り出す とめ子 水軍の基地は昔や海の日に 和子 登山口大小の杖吊るさるる 多賀子 長安の朝市の茄子黒光り 淑子 銃身は真竹が宜し水鉄砲 倉太 羅に背筋のばして老い知らず 道子 橋の下抜けくる風や夕涼み 由紀子 しんがりの気遣はれゐる滝の道 裕子
喜雨到る濡れて嬉しき畑仕事 尋嘉 積読の書を余さずに曝しけり 操 炎天下句帳片手に小半時 広治 かき氷一口ごとに目つむる子 柳影 宇陀路行く青田の風を受けながら 喜代子 下校児を足止めにする大雷雨 静子 登り来て千年杉の樹下涼し ひいづ 日盛やたどる家並の深庇 桂伸 日曜の昼の気だるさ凌霄花 豊治 肩ひもの真白き跡に夏惜しむ 公平
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/