露吹きて審査を待てる菊花展 眞千子 回復の夫に一献今年酒 道子 幹のぼる水かげろふや松手入 操 馬肥ゆるたてがみ風に光りをり 和子 薀蓄を傾けてをる菊師かな 隆雄 嵩減りし紅葉と云ひて沙弥の掃く 由紀子 稲架並び砦のごとき棚田かな 宣子 鵙高音運動場に人を見ず 信行 軽トラの荷台に案山子怒り肩 ザザ虫 三国を見渡す峠天高し 一宏
色鳥に誘はるるごと庭に出づ カネコ 金喰ひの松の手入を怠らず 幸子 焼き栗の一つ破裂の爆発音 厚子 家修理この秋晴れを外に出でず 裕子 昨日今日産地異なる梨届く 三重子 西伽藍東伽藍や鳥渡る 英二 朝晩の冷え一段と万年青の実 ひかり 公園の今日のどんぐり数知れず サダ子 官兵衞を捕捉の城址小鳥来る 領一 マネキンに着せるあれこれ冬支度 公平
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