梅固き鄙びたる寺巡拝す       多美子
馥郁と山ふところの梅林       静子
旗見えぬ建国記念日国憂ふ     周雄
菜園の誰もが聞きし初音かな   元二
遺されし針箱整理納め針       豊治
托鉢に春まだ浅き日差かな     宏治
もてなしの粥お代りす梅祭り   裕子
天満宮南面にして梅早し       道恵
湖面凍結公魚釣果期待大       春生
杉丸太退ければ下に草萌ゆる   喜代子

蕗の薹摘むや疎水を遡り       由紀子
自己主張する棘選び剪定す     和子
ただ一樹咲く白梅に人だかり   尋嘉
初午や雨に出店の二つ三つ     章子
恋の猫本殿なれど憚らず       忠利
春節や迷路のやうな中華街     泰子
さざ波の動かしてゐる薄氷     一宏
散ることを忘るがごとき梅の花 三重子
初音聞く田舎暮らしの朝早く   淑子
剪定の刈れば刈るほど虎刈りに 幸子


2月2015
    
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