硫黄の香殺生石に夏兆す         周雄
筍の伸びも伸びたりけもの道     幸子
図書館の窓といふ窓若葉光       元二
遠富士に湧く茜雲夏来る         桂伸
ゴールデンウィーク農家は忙しき 嘉宏
筍を掘るや傘寿の力瘤           一宏
母の日の一品多き夕餉かな       泰子
卯波とて津波に見えて恐ろしき   多美子
薔薇の庭曽つてイギリス領事館   多賀子
近づけば新樹に隠る天守閣       宣子


急磴に立往生の鹿の子かな       みどり
出る杭の譬へ筍掘られけり       柳影
昼の部の公演跳ねて街薄暑       ザザ虫
薔薇の門くぐればロシア料理店   恵子
首振りて飾りを厭ふ祭馬         由紀子
結ひ上げて濡羽色なる祭髪       瓔子
虚子の字を確かめてゐる若葉光   隆雄
二上山からの夕日や練供養       英二
老いてなお祭り太鼓に血が騒ぐ   厚子
味噌甕の味噌の香を嗅ぐ土間薄暑 忠利


5月2015
        
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