緑蔭は樹齢五百のご神木 領一 父の日や早々とどく宅急便 三重子 緑陰に小野小町の化粧井戸 ひいづ 参道の裸電球木下闇 多美子 かぎろひの丘より草矢放ちけり 眞千子 意外にも長き板橋河鹿鳴く 多賀子 薫風やポーズさまざま羅漢像 倉太 風薫る浦を出でゆく白帆かな 好博 万緑の中に霊水湧く処 みどり 神宮の奥まる棚田花菖蒲 周雄
草茂る休耕田に開拓碑 ザザ虫 四阿にあるわあるわの蟻地獄 章子 足音に草翔つ梅雨の蝶二つ ひかり ハーブ撒き聖体祭の石畳 淑子 蛍舞ふ消灯なりし校庭に 裕子 中華街脂の匂ふ暑さかな あきひろ 籐寝椅子友とし寧き老いの日々 喜代子 天辺に襤褸乗せしまま今年竹 尋嘉 螢飛ぶ闇指す指のほの白く まさこ
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/