片陰を拾ひて巡る城下町         由紀子
時の鐘鳴るやに噴水踊り出す     とめ子
打たせ湯に全身任せ暑気払ふ     忠利
停泊の外国船に西日濃し         一宏
里人は雲の峰見て雨を知る       ザザ虫
航進む大夕焼けの島目指し       宣子
下りには頼みの綱の登山杖       幸子
食進む隠し味とす茗荷の子       静子
噺家は雑談をする手に扇子       泰子
寺町に百日白のつづく道         柳影

湯上りの無念無想の端居かな     元二
日は西に仕事じまひの水を打つ   桂伸
帰省してしみじみ仰ぐ夜空かな   操
熊笹の道一列に登山かな         宏治
藍浴衣匂ふ程よき抜き衣紋       瓔子
庇なす大岩ありて登山道         静子
まずビール全員の手の上がりけり 恵子
近道を薦めるガイド玉の汗       公平
氷像のごとく乱立雲の峰         雅紀
どれほどの縄が要るのか鉾立てる 和子


7月2015
        
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