義士会の絶えぬ香煙眼の痛し 柳影 躙り口より忍び寄る寒さかな 広治 月蝕の進むにつれて星凍つる 瓔子 文机に向かふ人亡く冬座敷 泰子 巻き鮨や納大師のお摂待 由紀子 ふくろうをホロスケと呼ぶ湯治客 倉太 マフラーや巻いてみてまた編み続け 淑子 厩舎より顔だす神馬息白し ひかり 応ふ間も手許狂はず牡蠣打女 みどり 急ぎ用あるかに鴨の水走り とめ子
太葱の刀並べるごと売られ 豊治 湯気立つる路地のをちこち中華街 ザザ虫 校庭の裸木樹齢いかほどか サダ子 デパートの師走の人の中に我 元二 鉤の束ベルトに括り年守る 公平 一人居の聖樹小さしワイン酌む 宣子 風呂吹に眼鏡曇らす翁眉 桂伸 手作りや太めも細めも三十日蕎麦 三重子 除夜の鐘奉仕の寺で聞きにけり 厚子
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