青空に浮かぶ初花二つ三つ 周雄 冨士見ゆる丘一面の花菜かな 泰子 低き軒並ぶ町屋へ花吹雪く 道子 遊歩道夜の花見を禁じをり 和子 小回りのきくバス花の島巡り 静子 宮島や戸口戸口に花馬酔木 みどり 藤棚の陰にと寄れば香にむせぬ 淑子 放す牛食べ放題や草若葉 直之 国分寺跡てふ一碑飛花落花 尋嘉 一年生真ん中にして登校す ザザ虫
菜の花や岬めぐりのバスは空 好博 詠み人の知らぬ歌碑立つ道おぼろ 英二 おしゃべりに夢中の媼ら花を見ず 広治 単調な車窓の景色春眠し 操 春の宵読まねばならぬ書ありて 信行 自適とて日永に無聊託つ日も 豊治 青空の頭上遥かに囀りぬ 留美子 雨止みていつのまにやら夕蛙 倉太 ふらここは愉し座板は狭くとも 千里 名にし負ふ九十九里浜松の蕊 元二
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