色刷りの朝刊多し文化の日    智壽子
絵手紙の絵筆買ひ足す文化の日    ひいづ
伸び過ぎて倒れさうなる畑大根    柳影
昼暗き胸突坂や木の葉舞ふ        隆雄
振り袖に長靴の児や七五三        とめ子
悩みごと腹に膨るる神の留守      広治
腐葉土に戻すつもりの落葉掃く    淑子
園丁の軍手の白き落葉掻き    操
神の留守わがもの顔の鴉かな   宏治

象潟にしぐれ給ふは馬頭尊   智壽子
節太の庭師の指や冬囲     ザザ虫
茲十日お日さままかせ大根干す 幸子
無農薬曲がる大根味は良し   厚子
かさこそと奥院への道落葉踏む 喜代子
老木もここぞとばかり返り花  倉太
彰義隊墓所に枝伸び帰り花   あきひろ
堰堤の水の細りて冬に入る   ひかり
南窓すつかり隠し大根干す   三重子


11月2016
        
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